このたびOkuMasaは、7月をもちまして国頭村・奥間での営業を終了します。
今後はもとぶ町「しゃぶ匡」へと場を移し、営業させていただくこととなりました。
まずは、決して便利な場所ではないOkuMasaへ、わざわざ足を運んでくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
何度も、何度も。通ってくださった方々がいました。
大切な人を連れてきてくださった方々がいました。
料理だけでなく、店や人としての在り方まで見てくださった方々がいました。
それは何より、私たちの励みになりました。
国頭村・奥間での挑戦は、琉球古民家やしゃぶ匡で個人が培ってきた島の食卓と空間を、国頭村という土地へ移し、ひろげる試みでした。
島食材。
空き物件の活用。
観光と地域をつなぐこと。
若手育成。
国頭村への思い。
それらを、ひとつの店として立ち上げ、ひろげる試みでした。
そこには、確かな意義がありました。
どれも軽い言葉ではありません。
どれも、本気で向き合うべき言葉でした。
奥間という場所でなければ生まれなかった時間がありました。
国頭村でなければ見えなかった景色がありました。
同時に、国頭村には、外から見える美しさだけではない現実もありました。
一つひとつは小さく見えても、店を続ける日々の中では、すべてが現場へ集まってきます。
理念は、現場を持たなければ形になりません。
そして現場は、一人ひとりの営みの上に成り立ちます。
本来なら、「地域社会、行政、所有者、投資家、現場を支える人、育てる人、見守る人」それぞれの役割が必要だったのだと思いますが、実際には、その多くが一つの現場へ重なっていきました。
そして、その現場を、私が一人で引き受ける場面が増えていきました。
これは、私一人の力が足りなかった、誰かが悪かったという話ではありません。
ひとつの構想でも、ひとつの心身だけで支え続けることはできない、ということでした。
それでも、国頭村で店を立ち上げ、あたたかく人を迎える時間を作りました。
そこで出会えた方々。もう一度来てくださる方がいました。
誰かを連れてきてくださる方がいました。
それがあったから、続けたかった。
それがあったから、終える判断は簡単ではありませんでした。
OkuMasaを、美しい言葉だけで閉じるつもりはありません。
使って費やしたもの、背負ったもの、失ったものは小さくありません。
OkuMasaで過ごした時間を、成功や失敗という言葉だけで整理することは、今の私にはできません。
奥間での日々は、痛みも損失も含めて、私の判断の根幹を深く変えました。
何を信じ、何を一人に背負わせてはいけないのか。
人を迎える場所を、どう守り、どう続けるのか。
その問いを、私はこの土地で受け取りました。
理想は、語るだけでは人を助けません。
形になって初めて、人を迎えます。
形を失えば、どれほど美しい理念も、誰かの負担になります。
OkuMasaは、そのことを教えてくれました。
だから私は、奥間で生まれた火を持ち帰り、継承します。
これからのしゃぶ匡は、OkuMasaを経たあとの新しいしゃぶ匡です。
あらためて、OkuMasaに関わってくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
足を運んでくださった方。
任せてくださった方。
力を貸してくださった方。
心配してくださった方。
そして、うまくいかなかったことも含めて、奥間での日々を共にしてくださった方。
今度は、しゃぶ匡でお会いできたら嬉しいです。
ひとりひとりの気持ちに、少しずつ応えていきます。

